文章を整える記号を
主役にしたお茶碗。
終止符、句読点、飾り罫線…。
印刷の世界で「約物(やくもの)」と呼ばれる、文章を整える記号たち。
それらを文中の脇役ではなく模様の主役にしたのが、東屋の「花茶碗」です。
天草陶石の真っ白な土に、鮮やかな青で描かれてしますが、これは明治時代より受け継がれる「印版」という技法を用いられています。
和紙に呉須で写した図柄を素焼きの生地に押し当て、筆で染めつけていくのですが、すべてが手仕事であるがゆえに、今では数少ない職人だけが受け継ぐ技術となりました。
転写の際に生まれる、わずかなにじみ、かすれ、歪み。
機械では再現できない偶然の痕跡が、滑らかな白い素地と相まってやわらかい印象を生み出しています。
模様は全部で三種類。
ページ枠だけで構成された「カガミ」、写真や文章を区切る罫線がモチーフの「マドベ」、花飾りのように記号を連ねた「ハナカザリ」。
どれも約物がモチーフにはなっていますが、印刷文化の拝見を知らずとも、美しいデザインとして成り立っているこのバランスはさすがです。
内側に向かってすぼまった形は、見た目以上にしっかり入るつくり。
小サイズでもご飯150gがすっきり収まり、味噌汁などの汁物にもちょうど良い大きさ。
大サイズは200gほどのご飯が入るので、しっかり食べたい方はこちらをどうぞ。
テキスト:栗山 萌
写 真 :天神 雄人
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