真鍮からつくられた
姫スプーンと姫フォーク
小さいということを「姫」という言葉で形容する、日本語は愉しいものですね。特にスプーンやフォークには「ミニ」や「プチ」よりも「姫」のほうがしっくりきます。
しかし僕だけでしょうか、「姫」という言葉からは「小ささ」よりも「気品」のようなイメージが先行するように思えてなりません。「気品」からの連想で「小ささ」が浮かぶ、といったかんじ。
その点においてこの東屋の姫スプーンと姫フォークは、僕が感じる「姫」のイメージにぴったりと合致するのです。
金色のほうは無垢の真鍮、銀色のほうは真鍮に銀めっきが施されたもの。
真鍮は古来、仏具や建築金物など、時代を越えて使われてきた素材。間違いなく姫スプーン・姫フォークから漂う気品の源泉のひとつでしょう。口当たりもやわらかです。
使い続けるうちに色が鈍くなったり黒ずみが出てきたりしますが、これらは経年による自然な変化。もちろん使用上の問題もございません。このような表情の移り変わりを楽しめるのも真鍮という素材の魅力ですね。
姫スプーン
薬味さじとして、東屋のキャニスターと一緒に使ってみました。
台湾へ旅行に行ってから醤(ジャン)にハマり、いろいろな醤を買いそろえて楽しんでいるのですが、姫スプーンの小ささがまさにぴったり。
バターナイフだと大きすぎるような、小さなバゲットやクラッカーにマスカルポーネチーズやフムスのようなペースト状の料理をのせるときにもちょうどいいサイズです。
姫フォーク
日本には、客人に菓子を供する際に使う「菓子切」という道具が古くからありました。和菓子を一口大に切り分けたり、手を汚さず口に運ぶためのものです。その佇まいはどこか控えめで、けれど食の所作を整える大切な役割を担ってきました。姫フォークにも、そんな菓子切の精神を思わせるところがあります。華美に飾らず、けれどひとつ添えるだけで食卓に凛とした空気が生まれるのです。
もちろん用途は和菓子に限りません。小さなケーキや果物はもちろん、チーズや前菜など少量を味わう場面にもよく似合います。
写真・文:天神 雄人
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